大道幸之丞

アアルトの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

アアルト(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

1867年フランク・ロイド・ライト
1886年ミース・ファン・デル・ローエ
1887年ル・コルビュジエ
1898アルヴァ・アアルト
果たして30年間を「同じ世代」と呼んで良いのか迷いはあるが、同じ時代に共存していた事実はある。

建築界の巨匠の中にあって最後の世代にあたるアアルトはそれが妻アイノの功績が大きかったとする筋立てになっている。彼女の仕事はイッタラのタンブラーデザインで広く知られている。

アアルトは国外での名声の大きさに比べてフィンランド国内では批判の方が大きかったとされる。

逸話としてフランクロイドの隣に住む美術商がアトリエの設計をロイドではなくアアルトに依頼するがいわく「のんびり過ごせる建築にしたかった」との事で、二人の建築家の個性を端的に表現しているエピソードだ。

この映画はドキュメンタリーで、極めて淡々とエピソード重ねてゆく。

妻アイノは結局アアルトに先立ち1949年に亡くなるが、その3年後1952年にやはり建築家エリッサと再婚する。面白いのはこのエリッサがふくよかでアイノによく似ている点だ。区別がつかない人もいるかもしれない。アアルト亡き後すべての仕事はエリッサに引き継がれている。

インパクトの強さではフランクロイドやコルビジェが有名だが、デンマークのルイスポールセンやヘニングセンなど長く愛されるデザインを数多く送り出している北欧デザイン・建築の嚆矢としてのアアルトを追う事が出来る