大道幸之丞

ワンダフルライフの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

ワンダフルライフ(1999年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

是枝監督は実験的な作品も好むようで、「ドキュメンタリータッチ」といえば褒め言葉になってしまうが、本作も真面目な人が慣れない冗談を言う場面のように硬い空気の作品になってしまっている。本当はどうしたかったのだろうか。
———死者が一旦役所のような場所「そこ」でヒアリングされ、「一番大切な思い出」を選ばされ、その場面を再現してくれる。その後に天国に行くらしい。
冒頭を観ているとどうしても浅田次郎原作の『椿山課長の七日間』を連想してしまうし、こちらの方が面白い。

是枝監督お気に入りのARATAや寺島進、内藤剛志がヒアリング役で顔を揃える。

ヒアリングをしているようでも実は自分たちのほうが気付かされてしまう逆転の構図は『教誨師』でも用いられたように陳腐なのだ。

例えばアニメで「長年追った仇敵の正体が実は自分の父親だった」みたいにパターン化して感じる。

せっかく「人の死」を扱ったのだから。結論はもっと頑張ってほしかった。