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ゴジラ-1.0のこたつムービーのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
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とても良かった。

とても良かったんだが、観終わって数十分しか経ってない今、どんどんその感動は薄れている。むしろ「このこと」を考えた方がいい、というか。
意地悪く言えば悪い意味でハリウッドライクな「鑑賞中のドーパミンさえ出ればいい」という処は確実にある映画だ。

思い起こし反芻すればするほど「いいかげん」で感動の賞味期限は(オレにとっては)浅いが、背景の物語が強いので、日本人であればその戦後のヒューマニズムに深く感銘をうける、というか。そういう意味で山﨑貴の映画だった。
神木くんがしっかり立っていて、そういった俳優陣の誠実さが感動ポルノや展開のアラからなんとか外してくれている処もあるだろう。佐藤直樹の音楽も素晴らしい。

ちゃんと踏み潰すゴジラ、ちゃんと死傷を出すのは見ていてきもちよく、絶望的であればある程「こうでなきゃ」ではある。とにかく二つだけ言わせてもらえばこの映画、

エキストラがてんでだめ

だ。モブシーンのほぼ全部に気の抜けたエキストラの下手っぴなモブ演技があり興をそがれ、もっと言えばおママゴトっぽく現実に引き戻される。そういうダサさ、詰めの甘さも山﨑映画っぽい。
それと銀座襲撃後、ゴジラが海に戻るカットがないのは痛恨だ。このことだけでゴジラが「余興」に成り下がっている証左だから。ツッコミ処の多い作品だがこの二点は言っておきたい。

あとはジョーズ、フォレストガンプ、ザ・コックピット、バトルシップまでチラつく映画ファンな映画でもあり、そこもごめん、山﨑映画だ。