田山信行

シティーハンターの田山信行のレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
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シティーハンターを映像化するにおいて一番大事な点は……

原作通りに冴羽獠の“もっこり”が本当に“もっこり”しているのかどうかですよ!!全年齢向けのアニメでオミットされるのは仕方ないだろう。そのものを描写せずにフレーズだけで定着させた神谷明さんは凄い!凄いが……

じゃあ実写になったら……ジャッキー・チェンもフィリップ・ラショーもその原作再現には挑まなかった。原作へ並々ならぬ拘りを見せるマジの役者バカ、鈴木亮平は変態仮面さえこなした男。もしかしたら彼ならその本当の原作再現を……



してなかったね、さすがに。でもおウマさんは良かった。アレが描写としてギリギリかな。どうなんだろう?本当に本当にモッコリがモッコリしてたらドン引くか?でもそれこそが本当の原作再現………

なんてまぁ本当にモッコリをモッコリさせることに並々ならぬ拘りを俺自身も持っている訳ではない、決して。まぁしないよな、しないよなぁ……くらい。ネトフリでもダメか?!ダメなんか?!

相棒の槇村の死からエンジェル・ダスト、そしてユニオン・テオーペとの初戦と原作通りの流れを丁寧かつ非常に上手くアレンジした構成。シリアス:7 コメディ:3ぐらいの塩梅かな。

もう少しワチャワチャしてても良いかなと思ったけどコメディに寄りすぎるとフランス版の味わいになってしまうのかな。あれは原作愛こそ凄まじかったが微妙に笑いのセンスは違うしアクションが今一歩で似て非なるものだった。イコールではない、とても良くできたパロディ。

一方、こちらがちゃんと真打的な実写版シティーハンターとなっていたのは嬉しい限り。ワンマンアーミーで一個小隊壊滅させるって如何にもマンガ的な荒唐無稽な強さをきっちりリアリティもって再現できてたのは素晴らしかったな。そのアクションのマジのシリアスっぷりと、モッコリとの落差な。どちらも体現してみせる鈴木亮平は本当に凄い。

よりコメディ色の強いシティーハンター像は次作以降に望めるだろう。まぁしかし令和にこれ程シティーハンターが盛り上がるとは思いもしなかった。神谷明さんが演じるアニメ版も次が正真正銘の最後だろう。アニメ版がノスタルジーに浸らせるだけでなくきっちり原作に立ち返った決着をつけるに至っただけでもう、ね。勿論フランス実写版だって大いに貢献している。

アニメ版のラストと、そしてその後を紡ぐであろう日仏双方の実写版の続編とこれから先も楽しみだね。
田山信行

田山信行