1000年前に巨大なモンスターと戦った王国では最新のテクノロジー社会となった今も騎士制度により代々騎士の名が受け継がていく。
はじめての庶民の出から騎士の名をもらう主人公は戴冠の儀式の最中に何者かにはめられて女王を殺してしまう。
隠遁生活を送る中で謎の女の子が訪ねてくる。
真犯人探しに協力するという女の子はクジラにも馬にもドラゴンにも変身する不思議な能力をもつ子だった。
心地よいほどのテンポの良い展開と、笑いありアクションあり感動ありのエンタメ性たっぷりな映画。
そして現代の社会におけるマイノリティな立場の人に対するマジョリティへの風刺がふんだんに詰め込まれている。
主人公自身がクイアでありながらも、それが普通に受け入れられている世界においてはマイノリティではなく、彼自身が変身する女の子に対して奇異な目で見てしまう。
「君は本当は何者なんだ?」と主人公が何度も聞いてしまうあたりに現実の社会でのクイアの立場と非常に対称的な描写だった。
是枝監督の「怪物」にも通じる誰がモンスターなのかは見ている人への強力なメッセージ
ラストのラスト、希望で終わらせてくれるところも最高