わたりかもめ

AIR/エアのわたりかもめのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
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絶妙なバランスで成り立っている作品。
ベンアフレック監督。マットデイモン主演。
そんなの期待するに決まっている!となりつつ、それゆえの不安を覚えながら映画館へ行きました。
が、すぐに吹っ飛びました。
まずオープニング!
当時の映像や音楽をガンと浴びせて、観客を引き込んでいくところが個人的には大変好みでした。
うろ覚えでお恥ずかしいのですが『アルゴ』のオープニングも当時の状況が伝わるような感じだったような気がします。

全体の印象は観客を信頼して作られていると思いました。
派手さは正直ありません。
キャストと、あとはフィルのランニング姿や愛車の色くらいなもので笑
だから退屈かと言われると全く違います。
描かれるのは徹底してソニーの視点。
デロリスやフィルがどういう気持ちの変化があったのか。それはソニーへの接し方から察するしかない。
それでも情報量が足りない!とならずにみられたので自分はすごく相性が合う映画だったのだなと思いました。
あと会話の軽やかさも良かったです。
軽やかで自然なのに、中身が空では決してなくて
重要なメッセージが込められていたり、
それぞれの想いが滲んでいたりと
会話劇が好きなせいもありますが
その部分も刺さりました!

デビットフォークのブチギレ電話のシーンは必死に笑いをこらえました。
あのシーン、マットデイモンは素で笑っているように見えましたが真偽のほどはどうなのでしょう。

またベンアフレックの監督作品を観たいところです。
そしてぜひマットデイモンをまた起用してもらいたい……
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