わたりかもめ

ブラックボックス:音声分析捜査のわたりかもめのレビュー・感想・評価

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映画館で観たかった!
全体の印象として素晴らしいバランスで作られた作品ではないでしょうか。
主人公のマチューが
決して自分の主張を声高に押し進めたり、
周りに対して積極的に関わったりしないため、
淡々と音声などの収集する情報をもとに
何が起きたのか分析していきます。
ただ、だんだんと彼ののめり込み方が深くになるにつれて
表面的には同じように静かであっても明らかに空気が変わって来ました。
そして彼の背景を知るにつれて
「彼が聞き取っている音は本物?」とつい引いてしまうほどに、マチューが怖くなってしまいました。
そう思わせる見せ方が、仰々しくなくて
いつの間には引き込まれていたのだと気付かされて、あ、と思ったらクライマックスでした。
静かなやり取りで進むことがほとんどですが
それは決して単調ではなく、却ってこの淡々としたやり取りが生々しさを感じさせて怖かったです。

主演をされていたピエール・ニネさん、
初めて拝見したのですが鬼気迫る表情など大変心掴まれたため
イブサンローランも観てみます。
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