献血るーむくん

PERFECT DAYSの献血るーむくんのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.4
 2024年劇場2作目。今年最初に見た福原遥の「あの花が〜」が凄く良かったので、船橋での献血の後に、イオンシネマ市川妙典で評判のいいこの作品を劇場で見てみることに。
 役所広司がトイレ清掃員になるというのでどんなリアルな場面が出てくるのかと期待していたが、綺麗なトイレばっかりでガッカリ。もっとウンコがついていたり、ゲロがあったり、ペットボトルやトイレットペーパーが散乱してるトイレが出てほしかった。メモのやり取りも綺麗すぎる。インド映画のスラムドッグ&ミリオネアのウンコのシーンみたいな強烈さが欲しかった。それと女子便を男性が掃除することは多くの会社ではありえないと思う。逆はオッケーだが。
 あと日々お金に困ってる清掃員が首都高に乗るのも違和感。環七等を朝早くぶっ飛ばすのでは?銭湯だって1日500円だからアルコールなんて飲めないのでは?でも平山さんはお金持ちのボンボンでわざとああいう貧乏暮らしをしてるって設定なのかな?
 全編に流れる曲はどれも素晴らしかったのでどんなミュージシャンが担当したのかと思ったら、監督が外国人で納得。あんな曲の選択は日本人にはできないだろう😊 最後の曲のIt’s a new dawn. It’s a new day. It’s a new life for me. And I’m feeling good.の歌詞が聞き取りやすく特にインパクトがあった。
 平山清掃員が姪に対して「今は今、今度は今度」がいまいちピンとこなかったし、映画全編でいったい何がテーマで何が言いたいのか?毎日の決められたルーテインをこなすのが大切ってこと?日常に幸せが存在?
 自分はどちらかというと主題をストレートに表現するタイプの映画が好きだ。アカデミーのドライブマイカーみたいに木洩れ日等の風景のシーンも多かったが、自分には最後まで理解できなかった。

 ただ不思議な事に、映画を見終わって数日経ってから、役所広司の最後の笑顔を思い出すたび、ただ淡々と仕事をすることの充実感、自然の中に小さな変化を見つけることの喜び、一杯のお酒を飲めることの幸福感を感じるようになった。
 なるほどこれがこの映画の魅力か👏