このレビューはネタバレを含みます
やるせねー
誘拐はダメー
ジュリアンかわいそす
お母さんもかわいそす
父親はゴミ
誘拐はあかん!あかんけど、いざその状況に立たされるとどうすればいいか分からないのも事実。児童相談所に行っても体よくあしらわれる始末。もし警察に行っても「当事者が助けを求めないと」とか言われるんじゃないか、いっそのこと自分が保護してしまえばとか思ってしまうのも理解できないわけではない。警察に相談して、次はあれしてと悠長に考えている自分をよそに、段々と怪我が増えていく姿を目にしてしまうとなおさら。
ジュリアンが可哀想のは当然だから置いといて、お母さんがより痛々しい。
ゴミ男から逃げる時もジュリアンを置いていかず、仕事に行くときは保育所かどこかに預けている様子。ジュリアンは確かに愛する娘だったはず。その娘を自分の地獄とも思える現状に至った原因だと罵り、蔑み、憎悪の対象として虐待する様。精神の限界をとうに超えた母親による、究極の自傷行為ともいえるのではなかろうか。
ジュリアン、母親、主人公。彼らを取り巻く重苦しい空気がとても魅力的な映画。