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見えざる手のある風景のamhuiのレビュー・感想・評価

見えざる手のある風景(2023年製作の映画)
3.8
ゆるく淡々とストーリーが進み、何か起こる訳ではないけど、家族、恋愛、アート、配信、貧困、格差など多くの社会風刺の要素をポップに皮肉っていて面白いので、フラットに思考の機会を与えてもらえる。


全然強そうに見えない宇宙人たちにあっさり支配されてしまった人類が妙にリアル。
アメリカと日本のパワーバランス的なのを感じる。

宇宙人が手を擦る音がなんともクセになる。
見た目の気持ち悪さがちょうどいい。
しかし、悪げなく人を見下している様子がなんとも嫌な気持ちにさせる。


思春期に宇宙人と再婚されてしまうアダムが可哀想だけど、おかんが一番負担が大きい。
ヒロイン家族がもう無理 笑
これも黒人差別的な要素があるのだろうか。


大金を振り切り自分のプライドを守ったアダム。
この細やか抵抗こそがアートこそが彼らに勝てる術なのかな。
表現は誰のものにもならない。
状況は好転していないが、わずかに希望を感じさせる前向きな終わり方がいい。


BGMにテルミン使っているのも、ゆるSF映画感あってとても好み🛸
音楽はNOPEを手がけるマイケル・アーベルスらしい。

アダムの絵画展やってほしいな🖼
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