「荒野にて」がとても素敵な映画だったので鑑賞。
恋愛映画なのにセラピー的な心のセッションを受けているような映画。
BGMが無く会話ベースで映画によくある都合のいい部分を切り取るのではなく、ありのままを映している。
綺麗に見えて汚いようななんだか生々しく、私生活を覗いているようなカメラワーク。
フィルムのような質感で団地や防犯カメラや街の無機質な物を切り取った構図がとても好み。
一部屋だけライトが付いているとこのキスシーンがとても綺麗。
2日間の短い時間で体と会話を通して相手を知り、理解する。
そして、自分自身を知り、理解していく。
長年一緒に暮らしていたのではないかと錯覚するほど濃厚な時間で、その過程がとても繊細。
好きな人とこんなにも会話できることがどれだけ幸せなことなのか再認識させられた。(コカイン吸いながらだったけど 笑)
去っていく姿が消えるまで見送るラッセル。
振り返り窓を見上げるグレン。
これはキュンとする。うん。わかるよ。
別れを伝えた後から明らかに流れが変わったように感じる。
2日間という終わりがあったからあそこまでお互いをさらけ出せたのかもしれない。
二人は互いに影響を与え合っていたのだろうな。
別れ際のキスシーンは涙出そうになった。
監督自身がゲイであることからシーン一つ一つに至っても丁寧で意味を含んでいる。
朝キッチンでやかんに湯を沸かし、ベッドでコーヒーを飲みながら会話をする。
そのシーンが素敵で好きな人にコーヒー淹れてあげたくなった。
ジェイミーのような良き理解者がいてくれてラッセルは幸せだね。
出会いはいつあるのかわからない。
一瞬の出会いや永遠の出会い。
簡単に忘れてしまうような出会い。
人生が変わる出会い。
何気ないところから自分の人生を変える出会いが待っているかもしれないと思うと色んな場所に出かけたくなった。
