ボギーパパ

青春ジャック止められるか、俺たちを2のボギーパパのレビュー・感想・評価

3.8
劇場2024-35 D

その昔、1995〜2000年そして2010〜2013年名古屋で生活していました。
自分その頃からじわっと映画館に足を運ぶことが増え始めた程度のライトな映画ファンで、ピンク中心のシネマスコーレには行ったことがないのです。
そして本作を観てこのことを大変後悔している次第であります。

ミニシアターの大切さは、その頃からのシネコン化は、大きな意味で作り手も、ファンも含めた映画界を大きく変えました。

あの頃のライトなファンから少しばかりヘビー寄りになってきた私としては、比較的ミニシアターの情報には網を張っているつもりだし、足も運んでいます。
が、住環境↔︎映画館環境はかなり大都市と地方都市の間に格差があり、見逃し案件も増えています。
また、単館系の作品は映画館の、閉ざされ、時間的束縛という状況に身をおかねば真に楽しめないというか、配信だったりすると途中トイレ等の離脱で向き合いに不足するため身を入れて観られないのです。

さて、算盤なのか志なのかよくわからないが、若松監督の意志は明確で、シネマスコーレ立ち上げに関しては、映画を観るもの、作るものかくあるべしという気持ちがビンビン伝わってきました。あそこなら家賃も安かろうし、あの立地により算盤的に言えばピンクをあてにもできる(^^)
本作はあの木全支配人を口説くところからスタート。(実は私木全支配人とは、一度とある会で名刺交換ご挨拶しております♪)

この木全さんがなんというか映画愛の「塊」とでも申しましょうか、志高き人。感動です。東出さん、これは名演ですね。

本作はそこに、本作の監督・井上淳一さんの志、金法子さんの志も若き俳優さんにより、十分に織り込まれており、苦しくも切ない映画への愛の姿を堪能することができました。

そしてご出身の宮城弁なのか訛を丸出しで、良くも悪くも昭和の映画「大」監督、若松孝二を、井浦新さんが、これまた熱演により監督の志を高みに誘っている。ハラスメントという概念がなくて良かったですね(^^)
でもあの説教聞いていると、この監督の度量の大きさがよくわかるし、あのダメ出しを見ていると大きい器に注ぐ酒はやはり自分自身のためのものでしかないのだろうとも、妙に納得できてしまった。

竹中直人さんのご本人による入れ子構造や、
田中麗奈さんのゴールデン街のあの感じのママや、ちょっとイメージが違うか、、、赤塚不二夫も出てきて、1982〜2012〜現在までの、映画界や社会情勢をうまく紡いでいる。
指紋押捺拒否問題まで織り込まれるなどは、、、

うまく記せないが、昭和から令和への映画にの衰退と、ビデオへのシフトをビデオのセールスマンから映画館支配人への「華麗なる転職」を通じて描き、
噂の真相・岡留氏や、河合塾そのものを登場させることにより時代感と、紙メディアや予備校を、当時の必要悪として、また廃れゆく?ものとして登場させるしたたかさというか、問題提起というか、、、も配備された面白い作品でありました。

前作観ずに鑑賞したが、問題なし。
映画愛に浸れる良作だと思います。

シネマスコーレ永遠なれ。
DENKIKANありがとうそしていつまでも。
それを願いつつ館を後にするのでありました(^^)
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