ただ落とした財布を拾っただけなのに、結果として持って帰ってきてしまい、母親からも警察からも盗んだんだろうと問い詰められビンタされる少年あまりにも過酷な生活だわ。
お金を財布に入れたまま警察に渡したら警察がお金を抜いていくからあえてお金を抜き取ったっていう描写から治安の悪さや男の子の生活ぶりをみれば極度の貧困なのも伝わるが、それに反して母親は自分が死んだ後も自慢の息子でいてほしい。息子が盗人になるくらいなら死んだ方が良いと言い、お金を返しに行った女性は彼に同情して母親のために金銭的補助をして少年に助け舟を出そうとする。
圧倒的な暗闇じゃないからこそ、よりしんどさを感じたな。最後の方には少年が生まれた経緯もサラッと描かれてたけど、サラッとしすぎててそこにも闇を感じる。
ここから少年がどうやって生きていくのか。
母親そっくりだな、と言われて少し嬉しそうにした彼の顔が忘れられない。
