未曽有の大地震の中 唯一倒壊を逃れた一軒のマンション。そこで繰り広げられる生存者たちのサバイバルを描いた作品。
年明けに起こった能登半島地震の為デリケートな題材になってしまったが、本作がしつこくネチネチ描くのは災害シーンより緊急時の人々の行動と本質。
震災直後にはあった冷静な判断や思いやりは、事態が長期化するうちに次第に無くなり平静が失われていく。
緊急時に人はどこまで理性を保てるのか。自分や家族に不利益と分かってどこまで他人に献身的になれるのか。
人間の内面をこれでもかと見せつけられかなり不快。
それは『自分ならどうか？』と絶えず自問させられるからか。
思いもよらぬ運命の流れによりマンションのリーダー的立場になるイ・ビョンホン演じる謎の男の存在感が際立つ。複雑なキムという男の狂気と哀しみ。
びょんびょんはハリウッド出演時より自国作品でキラキラを封印してる時にこそ演技の真価を発揮する役者だなと改めて感嘆。
そんな行動力のあるキムに盲目的に服従してしまう主人公 パク・ソジュンの気持ちも分からなくもないよ。思考停止した方が楽だもんきっと。
ソジュンの妻の倫理感溢れすぎる行動に後半 偽善臭を感じてしまった。…いくら看護師でもわたしにはここまで出来ないと自己嫌悪。
あと何週間も風呂に入ってないのにあなた最後まで小奇麗なのが気になったわよ！（いちゃもん）
