このレビューはネタバレを含みます
ワンシチュエーションサバイバル歴代トップ
よくある有り得ない系サバイバルかと思ったら
なかなかに悲惨で生々しい始まり方に
スペイン産の意味を知ります。
全体的にやってくる最悪続きの受難もリアルで
その度乗り越えようとする主人公が
本当にカッコよくて逞しい。
それでもその理由こそ守るものができたからか。
ワンシチュエーションやサバイバルにおいて
自分以外の存在がいるだけでここまで
冷静になれるのかと感心してしまった。
作劇も脚本もよくできている。
古い汚いコンテナなのに、
主人公や愛する娘、酷すぎる状況によって
美しく映える画のコントラストも面白かった。
光を浴びたシーンがかなり印象的なのは
どこか宗教的な背景を背負っているからだろうか
ラストの母と娘が反転する演出も憎い。
娘から伸びた臍の緒が
母を羊水から引き上げるのだから。
助かった時そのものではなく、
今手を振る子が手を離してしまった娘に
重なった瞬間に涙が溢れる演出も良かった。
一つ一つのシーンに意味があり意思があり
最後の最後まで飽きさせない
素晴らしいサバイバル作品でした。拍手。
あとタッパーは神。