かじドゥンドゥン

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4.8
地球の空に巨大な飛行物体が現われ、何の目的かも不明のままただ浮いている。おとなたちはこの出来事以来すべてが大きく変わったというけれど、主人公の一人、女子高生のカドデからすれば、むしろ期待外れにありふれた日常がだらだらと続いて、拍子抜けともいえる。世界が確実にどこかへ向かって流れ落ちているという予感だけが漂って、すべての出来事に「(仮)」が付されて宙吊りになってしまうような世の中で、5人の女子高生がベタといえばベタな青春時代を送って、その友情を育む。

「イソベヤン」というドラえもん的なキャラクターが登場し、彼がカドデに与える道具を―使用しないことも含めて―カドデがどう用いるかが問われる。ドラえもんへのオマージュでありながら、秀逸なドラえもん論でもある。