MamoruTakahashi

ニューヨーク・オールド・アパートメントのMamoruTakahashiのレビュー・感想・評価

4.3
社会性のある題材とラブストーリー(家族愛、初恋)など色々やテーマが共存した新体験で、とても素敵な作品だった。

差別から来る孤独と貧困、片親の経済的自立の困難さとろくでもない男、双子の初恋、セックスワーカーの袋小路と絶望、これらのごちゃ混ぜな問題が移民という一つの文脈のもと、夢と欲望が渦巻く混沌としたニューヨークで繰り広げられていて、テーマがたくさん詰め込まれてるもののどれも中途半端とも思わず、時間軸の交叉のさせ方含めこれを100分に収める監督の力量を感じた。

移民や差別を取り扱う以上陰惨な場面も多いけど、思春期迎えた可愛らしくてやんちゃな双子のおかげでところどころでほっこりできる場面もあるし、最後にささやかな希望を持たせてくれるところも、ある程度爽やかな気持ちでエンドロールを迎える事ができて好感を持てた。
リアリティという意味で疑問符が浮かぶ場面もあるけれど、これだけ重いテーマをエンタメとして取り扱う以上僕はそれで良いと思った。

そしてエンドロールで流れるティバ!最高!
それら含めてとても良い鑑賞体験でした。