多幸感溢れる前半、絶望感溢れる後半
前半は終始ご機嫌なトラックが掛かっていて、全てが順調に進んでいくが、90年代突入と同時に一転、何もかもが悪い方向へと転んでいく
実際のポルノ映画業界がそうだったのかは分からないが、ポルノ業界はあくまでメタファーであり、映画業界やアメリカ社会に巣食う暴力とドラッグがメインなのではないかな
そういう意味では、「ワンス・アポン・ア・タイムインハリウッド」や「マルホランド・ドライブ」みたいな映画だと感じた
「グラインドハウス」感もあるかも知れない
映画の作り的にはマグノリアにそっくりな、複数人の人生が交差する群像劇
時間を掛けてキャラクターデベロッピングをしていく前半は見ていて非常に楽しいし、後半でそれぞれの人生に差し掛かる影にもドラマを感じたが、それらへの解決がちょっと表示抜け感がある
この辺、マグノリアの方が上手かったね
ただ、わりと重めの人間ドラマなのに「主人公のイチモツがデカイ」ということを起点にして全てが回っていて…良い映画だわこれは
(最後のイチモツシーンを拝みたい人は、海外版を見よう)