画面はすごいけど…ドラマパートは…
一個だけとにかく言っておきたいことがある。これは前作に引き続きそう。
「「なんでこんなにセキュリティがガバいの?」」
前作でも一介の医者が、国のセキュリティを「スイッチオフ!」
してたし、天下の宇宙大皇帝がデカミミズと数発の核爆弾にやられるって何?
どうしてこんなにセキュリティがガバいのか?
それは、そうしないと物語が進まないからです。この物語は死ぬほどアンバランスなのです。
現代化された「攻殻機動隊」みたいなハイテク通信網やらヘリやら出てきたと思ったら、突然ナイフで戦闘を始める。
この、ナメたごっこ遊びみたいなのが本当に癇に障る。
フェイルセーフなく簡単に破られるセキュリティと、遺伝子で歯科開かない核兵器保管庫が物語上で共存できる意味が分からん。
まったく筋が通らないから、脳が処理を拒否する。
どんな突拍子もない設定でも歓迎するが、一貫性のない話はクソだ。
ポールの魔法の声を、クソデカイ拡声器で宇宙全体に飛ばせば戦争いらんだろ!
ポールがブルーハワイの水みたいなの飲んでから、ドクター・ストレンジみたいなこと言い出したのも気に食わない(デューン原作が出た年のこと考えると、こっちのほうが先なんだろうけど)
何だろう、盛りだくさんだったはずなのに、全然印象に残るシーンがないこの感じ
駆け引きがない。勝つか負けるか、生きるか死ぬかみたいなね。前作で壊滅させられた時は、一方的に負け、今作での勝利も一方的で一瞬。攻防シーンがない。決闘も同じ、クソつまらんよ。
前作で恐ろしかったハルコンネン家も後半で一瞬でやられるし、あれだけ凄そうな雰囲気を醸し出してた皇帝は、ハルコンネン家にビジュアル負けしてる上に登場と同時に負けるクソザコだし、サーダカーもクソザコになってるし
異形の恐ろしさとロマンが詰まってた砂虫は謎の原理で操られて、電車と戦車代わりになってるし
1で掛かっていた魔法が全部解けていく感じで、マジでショボく感じる
これで終わり?感もすごい
「何かとんでもないすげぇことが起きそう!」ってだけで、前作のストーリーは牽引されてきた
まさか似たようなものを本作でも見せられて、その最後がガバセキュリティとはね…
「僕の名前の下に戦争が起きそう!」が1
「南に行ったら悪いことが起きる!」が2
前作のアトレイデス家のお引越しシーンとか、ハルコンネンの襲撃シーンの方がすごかったわ
モノクロのシーンはオシャレだったね
相変わらず思うんだけど、アスペクト比がフルサイズIMAXと普通IMAX撮影のシーンでチカチカ切り替わるのが本当に見辛い
何でも無いシーンでもチカチカ切り替えるの本当にやめて欲しい…失敗作だろこれ???でっかく映したいシーンは全部フルサイズ、ドラマパートはカメラの動作音がうるさすぎるから普通サイズ、で良いんじゃないの?
とにかく、映像はすごい、金は掛かってる
今をときめく有名ハリウッド女優を全部連れてきて顔面のドアップを見せてくれるので、映画館で見る価値はある
あ、ポールがハルコンネン家だったプロットはおもろかったかも。
ヴィルヌーヴだからといってブレードランナーみたいな映画史に残るショットが見れるかというとそれはまた話が別。