Yuhming

アメイジング・グレイスのYuhmingのレビュー・感想・評価

アメイジング・グレイス(2006年製作の映画)
4.8
ちょうど10年ぶりに再見。
静かに感情が入ってきて心に染み入る映画。
奴隷貿易船の船長だった牧師ジョン・ニュートンの贖罪と感謝のアメイジング・グレイス。「見えなかった目も 今は開かれた」がこの映画を見ると意味を持って迫ってくる。私は見るまで知らなかった。

ウィルバーフォースの健康な若い時代とその後の苦悩と再起の姿で容貌が変わっていて、見事だなと思った。
ピットは人間的でもあって情が湧き、作中のフォックスはちょっとおちゃめで好き。
真正面からだけではなく、政治的策を弄するところに実話であることの重みが伝わってくる。

エクィアノは登場時間が短いのに印象深い。
ニュートンの告白の彼らには「美しいアフリカの名前があったのに」とエクィアノの奴隷になる前のかつては「王子だった」という言葉が直接的なシーンではないがストーリーの中で通じていて、心に残った。

ひどく悲しくもあり、しかし革命や戦争でもなく20年の歳月をかけて法案を通し、人生を捧げた人がいることに感動もする。
歴史に造詣が深ければより味わい深いのだろうなあ。

2014.3.13 2024.3.15
Yuhming

Yuhming