このレビューはネタバレを含みます
1997年の名作『CUBE』を撮ったナタリ監督の次作。
女房にも尻に敷かれた冴えないサラリーマンのモーガンは無理めなハイテク企業デジコープに奇跡的に採用された。そこでの任務は産業スパイ。盗聴器も持たされて指示された企業セミナーに参加する。しかしそのうちにフラッシュバックのような過度の頭痛と首痛に見舞われる。
そこへ謎の女リタが登場。やらされてることはデジコープ社による洗脳であり、スパイでもなんでもない事を知らされる。結局対立企業の二重スパイを強制的に持ちかけられる。
モーガンはリタに惹かれてしまい彼女の指示に従う。
とにかく驚きの連続で、ナタリ監督は「人間を統制・制御する描写」の達人だ。
最後の方ではどっちがどう騙されているのか判然としなくなるが、フィリップ・K・ディック並のエンディングを迎える。
終始マットな質感が多用されクールで独特な空気感がある。個人的に好きなタイプの作品だ。