瑞鶴

敦煌の瑞鶴のレビュー・感想・評価

敦煌(1988年製作の映画)
4.0
2024/02/29 NHK BS1にて鑑賞後、U-NEXTで再鑑賞。

音楽やら西田敏行の様を見て昔観た事を思い出した。

敦煌は、ジブリの設立母体である徳間グループの「大映」や電通、丸紅などが共同で製作した。 製作費は45億円で、邦画として史上最大だった。 日本のバブル時代の象徴の一つである。

日経平均株価がバブル当時に戻ったが、このような攻めた作品はもう作れないんだろうなと改めて思う。

出演者は今ではレジェンド級ばかりの役者で、既に亡くなられている人もいる。レジェンド級役者さんも肌つやもあり生き生きしていて時代を感じるね。

本作の舞台は宋の時代。
シルクロードの途中にあるオアシス都市「敦煌」の話ね。

以下、ネタバレあります。

砂漠って厳しいね。ヒャッハー!!って盗賊もいるんで油断してると殺されちゃうし、泥水でも飲まないと死んでしまう。

( ゚д゚)、ペッ「まずい……。何の肉だ。」
「戦で死んだ馬の肉だ。そんな物しか無い。」
「私に馬の肉を喰わせるのか。私はウイグルの王女だ。」
このやりとりで気位高いのが出てて良いね。

行徳はある戦いで王族の娘・ツルピアと恋に落ちる。 しかし王礼の命令で西夏の首都に行くことに。 2年後行徳の見たものは李元昊と政略結婚を強いられるツルピア。結婚前のツルピアの言葉を行徳が書に記すあたりNTRはこの頃からあったんだなと思わせられる。

馬の使い方も達者で、エキストラの数も多くバブル感がある。古さは感じるけれど元気があって良いね。

「砂漠では骨が道標になる。砂漠では太陽は敵だ。生き物を焼き殺す。優しさは死に追いやる。心は苦しむだけにある。」

「仏は他人が己を苦しめるのだはなく、己の心が己を苦しませるのです。」

話の後半からは、敦煌へ旅行をしながら歴史の遺物鑑賞をしているような感覚にさせられ、心洗われるような気がする。

羊も殺される時は噛みつくという。
生きるとは戦う事だ。
女は男を惑わす。
若き中川安奈(ツルピア王女)が魅力的。

滅びるのだ何もかも。
急げ!!

なんか西田敏行、これはこれで男気あって格好いいじゃんよ。
サラダバー。

歴史の一端を見た感じはした。
歴史に名を残すのはお前じゃ無い。
国破れて敦煌学あり。

ちなみに「西夏」は中国の西北 地域にあったチベット系タングート族の国(1038〜1227)。東西貿易で富、宋や遼とあらそい金に従属。後にチンギス=ハンに討ちほろぼされる事になる。
瑞鶴

瑞鶴