kokomo2023

ディーバのkokomo2023のレビュー・感想・評価

ディーバ(1981年製作の映画)
4.5
ちょっと小粋なサスペンスを期待して見たら、すごい雑な展開で驚く。
だけどそれを上回るセンスが確かにあって、公開当時に見た人は夢中になったのかもしれない。
キャラクターはじめ、色々な要素が面白い。無駄とも言えるちょっとしたシーンがなんか良い。おしゃれで映画的に豊か。
決してレコードを出さないオペラ歌手、その熱狂的なオタク青年、謎の人身売買組織、海賊版レコード組織、元特殊工作員のようなダンディーな男と小悪魔的な少女。
そういうマンガ的なキャラクターが気取った装いで登場して、事件を起こして巻き込まれて最終的に美しいラストシーンで幕を閉じる。
録音厳禁の歌姫の歌声を盗むっていうモチーフがまず良くて、それがラストにちゃんと生かされる構成。そういうセンスの良さがあるので、色々変なところは許してしまう。

どメジャーな作品だと粗が気になっていたんだろうけど、わりと低予算の新人監督の作品ってことは分かるので、逆にそのセンス優先な作風が見事にはまっている気がする。
小さな映画はこういうのがいい。
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