Crispy

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのCrispyのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

Vol.2-12

リバイバル上映にて。
序盤、病室でテキーラの瓶を見つけたふたりが塩とレモンを求めて厨房に忍び込み、海を見に行くことを決めるまでの流れが素敵である。
会いにくる人もいなければ、残りの時間を一緒に過ごしたい人もいない、孤独なふたりはお互いを天国までの旅の道連れに選ぶ。
マーティンとルディは犯罪に手を染めまくって海を目指すが、コミカルで軽い描写のため、「余命わずかなふたりの最期の豪快な悪ふざけ」といった雰囲気が楽しい。

ラストシーン、テキーラの瓶を片手に海へ向かう。夕日が溶け出したような美しさではなく、荒々しく灰色の、生を拒絶するような海。ふたりの最期に穏やかさは似合わない。きっとふたりは天国で、海の力強さと冷たさを生々しく語るのである。
Crispy

Crispy