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人生はビギナーズの一人旅のレビュー・感想・評価

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)
3.0
マイク・ミルズ監督作。

自分らしく生きることを謳い上げた異色の青春映画『サムサッカー』(2005)で注目を浴びたアメリカの俊英:マイク・ミルズが2010年に脚本を兼ねて撮り上げた作品で、監督の実体験に着想を得た自伝的な人間ドラマとなっています。

癌を宣告された75歳の父親からゲイをカミングアウトされた38歳の奥手な性格の独身男性:オリヴァーと友人のホームパーティで知り合った個性的で魅力的な女性:アナとの不器用な恋のゆくえを描いた“家族+恋愛ドラマ”の佳作です。

同性愛をカミングアウト後、年下の男性と恋愛関係となって人生を謳歌している父親の晩年の生き様を通じて、自分の気持ちに正直に生きることの意味を見出していく主人公とその大切な人とが迎える新たな人生の第一歩を、今は亡き父親&母親と過ごした過去の回想を交え描いていく作品で、最愛の家族との永遠の別れの果てに未来への確かな希望を優しく見出した人生賛歌となっています。

主演の英国俳優:ユアン・マクレガーとフランス人女優のメラニー・ロランが付かず離れずな微妙な関係から進展を見る不器用な男女を好演していますし、父親役:クリストファー・プラマーの自然体ながら貫禄のある演技も一級の味わい深さがあります。
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