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監督ロン・ハワード、主演ラッセル・クロウでお送りする伝記ヒューマンドラマだ。
実話らしい。
ジョン・ナッシュという天才数学者の物語らしい。
ノーベル賞受賞者らしい。
らしいらしいで申し訳ないのだが、私はこの人物の事を全く存じ上げないのだ。
森羅万象あらゆる事物に精通している私なのだが、唯一この人物だけ存じ上げないのである。
ただ、何も存じ上げなかったが故に、この作品を楽しめたとも言える。
前半の怒涛の展開が、まさかジョンの幻覚だったとは・・
純粋な私は巻き起こる全てのエピソードを額面どおり受け取っていたのだ。
ジョンの暗号解読により、米ソ対立による様々な危機が回避され、冷戦終結に寄与したのであった。
・・みたいなストーリーを予想していたのだが、まるで違っていたのだ。
ジョンの妄想や幻覚込みなのだが、前半部分がとても面白い。
若き日の学生生活から始まり、研究者としての日々、国防省での極秘任務、恋愛、結婚、友情、銃撃戦にカーチェイス・・
虚実織り交ぜた実に面白い展開なのである。
だが、後半に入って我々は「おやっ?」となる。
ジョンが精神科病院に入院させられるのだ。
何も存じ上げない私など、この時点でも尚これはソ連の陰謀だと思っていたのだが、実際ジョンは統合失調症だったのである。
後半は病と闘いながら研究を続けるジョンと彼を支える妻の物語なのだ。
病が病なだけに重い展開もあるが、感動的なラストが待っているので、ご安心して観ていただきたい。
いい映画である。
私のような何も存じ上げない方のために、どの部分がジョンの妄想なのかは一応伏せておこう。
まあ、ネタバレ云々という種類の映画ではないので、全部バラしても問題ないとは思う。
どうしようかな。
バラそかな。
やめよかな。
バラそかな。
やめよかな。
寝よかな。