りょう

探偵物語のりょうのレビュー・感想・評価

探偵物語(1983年製作の映画)
3.6
 自分が小学5年生だった1983年、「時をかける少女」のテレビCMで原田知世さんを観たときの衝撃が忘れられません。それと同時上映でしたが、どちらかと言えば、彼女の先輩である薬師丸ひろ子さんが主演したこの作品がメインだった印象があります。
 結局どちらもテレビ放送でしか観られませんでしたが、この作品は、当時の小中学生に刺激的すぎた記憶があります。大学生である直美がセックスの場面に遭遇するシーンの連続です。
 映像や演出には特徴的なところもなく、ゆるーいラブコメのような雰囲気ですが、主演の2人が作品の格調を高めています。薬師丸ひろ子さんは、初々しいながらも(よくも悪くも)作品全体を支配しているし、松田優作さんはこんな役柄でも存在感がありつつ、ちゃんとヒロインを際立たせています。
 ほぼ40年ぶりに観ましたが、終盤の辻山のアパートでの長回しのシーンから直美が帰宅するところの主題歌、ラストの成田空港のなが~い〇〇シーン(賛否あり)とエンドロールの映像は、中盤までのユルさを挽回するほどによくできています。
 ちなみに、主題歌の「探偵物語」は、作詞:松本隆、作曲:大滝詠一、編曲:井上鑑という当時の歌謡界では完璧な布陣です。久しぶりに聴いて感激しましたが、やっぱり名曲です。
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