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マダムと女房のNOBUのレビュー・感想・評価

マダムと女房(1931年製作の映画)
4.5
日本初のトーキー映画として映画史に残す本作は、生活の中から聞こえる音を効果的に使う演出にトーキー作品としての制作にたいする意気込みの強さが伺える。

映画に音が加わった事は革命的な進化だったのであろう。

そして、中盤からその音に対するテーマが加速し、近所から聴こえてくるジャス音楽がキャラクターを動かすストーリーの中心となっていく。

今日では当たり前となったが、環境音や音楽を使った演出のあり方を改めて考えさせられる作品でもある。

「マダム」「エロ100%」という台詞はユーモラスさを感じさせ、90年前の流行や生活様式を垣間見せている。
それは今となっては大変貴重な資料でもあり、戦前の終盤に差し掛かっていた楽天的な時代の日常を捉えている。

と言いながも、作品も大変クオリティーの高いもので、スコアポイントは先代の映画人への敬意を込めて4.5は付けたい。
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