mare

青春の蹉跌のmareのレビュー・感想・評価

青春の蹉跌(1974年製作の映画)
4.0
アメリカンニューシネマに対抗できる虚無感に囚われた青春映画で、それでいながらロマンポルノ譲りの冷たくギラついた質感が同居している。長谷川和彦が脚本やってる時点で信頼できるし、これが「青春の殺人者」にも繋がっていくのだろう。自身の業に呑まれていく男のどうしようもなさが最高で、終始フラストレーションを抱えているショーケンの訳わからない一つ一つの所作と転落を体現している様相が絵になる。当時の学生運動のシーンからして、どことなく病んでいるような時代背景を切り取っていて、当時の若者のイデオロギーが剥き出しになっているし、ショーケンはそうしたシンボルとして描かれているのかもしれない。
mare

mare