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天使の復讐のmareのレビュー・感想・評価

天使の復讐(1981年製作の映画)
4.5
レイプされたことをきっかけに、男性に対して復讐のごとく殺人鬼に目覚めていく切れ味鋭いリベンジムービー。声を出すこともできず職場では小言を言われて冴えない日々をおくる彼女が、殺しの一線を越えてしまい、拳銃片手に夜の街で大暴れするセンチメンタルな暴力性がとにかく鮮烈である。アベル・フェラーラの映画はどこまでも淡々としていて、感傷に浸る間もなくドライな理不尽さで埋め尽くすような、ある種ドキュメンタリーチックな見せ方が潔くてなぜだかとても清々しい。ラスト、雰囲気が一変し地獄と化した空間で展開される、スローモーションを多用した悲劇の連鎖は猛烈に脳内に刻み込まれる。救いのない内容だが、映画としての旨みが凝縮されており、恍惚で忘れ難い興奮が抑えきれなくなる。
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