Tully

パリの恋人のTullyのネタバレレビュー・内容・結末

パリの恋人(1957年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ストーリー展開には正直首をひねる部分がある。ファッション誌の編集長、ディック、ジョーが物語の3大主要人物だが、それぞれがかなり自分勝手。3人が迷惑を掛け合うので、結局お互い様という感じだけど、ひとつひとつは観ていてイライラするほど。そしてメインはディックとジョーのラブストーリーなのだが、キャスティングが疑問。公開当時オードリーは20代後半であるのに対し、ディック演じるフレッド・アステアは50代後半、30歳差。さらに言えば、フレッド・アステアは全くイケメンでもなく、渋いオヤジでもない。ルックス的には平凡なオヤジ。こんなの有り?と、作品としては絶賛できないことは一応書いておくが、そんなことは本当は重要ではない。オードリー・ヘプバーンが魅力的に映っているか否かだけが問題。そういう意味では、私には新しいオードリーの発見だった。本作のオードリーは、歌い、踊る。歌はそこそこという感じだが「こんなに踊れるんだ!?」という驚き。今回の鑑賞を機にネットで彼女の略歴を見ると、スクリーンデビュー前にはバレリーナを目指していたこと、「ローマの休日」後も舞台にかなり立っていることなどを知った。そういうことを知ると、歌や踊りも出来ることは何の不思議もなく、本作のための付け焼刃でないことを理解。特に後半で編集長と一緒に踊るシーンは見事だった。そんなオードリーの知らなかった一面を観られて満足。
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