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SFアクション映画だ。
設定やストーリーは面白いし、提示される謎も実に魅力的だ。
小道具の使い方も面白い。
ミステリーとしても楽しめる作品だ。
近未来、人の記憶を意図的に消す技術が確立されている世界だ。
特定の期間の記憶だけを抽出して消去できるのである。
一体なぜこのような技術が?
どのような必要性が?
一般的な需要はあるのか?
分からん。
分からんが物語の前提として認めるしかない。
主人公はマイケル(ベン・アフレック)という男だ。
ある意味天才的な技術者である。
彼は先端技術を搭載した製品を分解、研究し、それを更に進化させた新製品を作り上げるのだ。
企業の依頼を受けて、莫大な報酬と記憶の抹消を条件にライバル会社の技術をパクるのである。
なぜ、記憶を消すのか?
情報の漏洩を防ぐためである。
そんなある日、友人のジミーちゃん(アーロン・エッカート)が経営するオールコム社から依頼が入る。
なんと3年間という長期の契約だ。
つまり、終了後には3年分の記憶を消されてしまうという訳だ。
3年は長い。
お子様はもちろん、大人の私でも十分長いと感じる。
3年前の私と今の私は全くの別人だ。
あの頃の私は薄汚れてやさぐれた捨て犬のような男だったのだが、今はただのハンサムで心優しいナイスガイになり果ててしまった。
時は人を変えてしまう。
かように3年は長いのだ。
一体どのような研究なのか。
オラわくわくすっぞ。
・・と思っていたら、場面はいきなり3年後に飛ぶ。
研究内容がよく分からないまま、私たちは3年後の世界に放り出されてしまうのだ。
任務を終えたマイケルは莫大な報酬を受け取ろうとするのだが、自身がこれを放棄していた事を知り愕然とする。
3年前に預けた私物品も見知らぬ物ばかり。
一体これはどうした事なのだ。
報酬を放棄するなどあり得ない。
3年の間に何があったのだ。
と思っていたらいきなりFBIに拘束され・・・
更にオールコム社の刺客から命を狙われ・・・
そんな謎が謎を呼ぶ物語である。
マイケルの恋人役をユマ・サーマンが演じている。
実はここ10日間ぐらいでユマ作品を3作品も観ているのだ。
まさしくユマ祭りだ。
ワッショイワッショイである。
これは全くの偶然だ。
意図してユマ祭りを開催した訳ではない。
偶然か必然か知らないが、私の黄金の左腕がユマを選択したのである。
これは要するに運命なのではないだろうか。
私とユマの間には何かしら糸のような物があるのではないだろうか。
プロポーズした方がいいだろうか。
そんな事を思わずにはいられない、今日この頃なのである。