このレビューはネタバレを含みます
カメラが動く動く。
結婚したこと、逮捕されたことの重大事件は写真だけで示される展開の速さにも関わらず、扉の開閉はどのカットにも必ずと言って良いほど律儀に描かれる。
麻雀をしている人々の薄情な声を聞く…
開始早々からカッティングインアクション(新たな身振りのためのカメ位置、サイズ、構図変えも含めて)、完璧なデクパージュの嵐が吹き荒れ、会話時の移動撮影、ラインの侵犯、繋ぎじゃないショットすらある(…
嫁ぎ先の家はモダンな洋室付き日本家屋で、旦那はエリート、向こうの両親も元気、カツオそのものの義弟もかわいいし、こんな専業主婦うらやましいんですけど。途中出てきたタイすき鍋みたいなのなんなのだ、ハイカ…
>>続きを読むこれもすごい。
成瀬作品の中では古めなので、音声があまり良くなく、編集のテンポも少しつんのめってるように感じた。
だが、内容がすごい。ストイックで、非情でそしてユーモラス。ややサイレント映画的な…
控え目な笑顔を見留めて、幸福かい?と屈託そうに問いかける男の独り善がりな愛情は、まさかそれがいやいや拵えられた偽物であることを知る由もない。見せかけの楽天性の背後に深い悲しみばかりが積もり、固着して…
>>続きを読む最近復刊されたんで読んだ田嶋陽子『愛という名の支配』(1992年)と何ら変わらないテーマ。1937年の映画かこれが。主人公・入江たか子がなんとかなるだろうと見合い結婚した先に待っていたのは、不払いの…
>>続きを読む女性が嫁ぎ先で苦労する典型的な成瀬的物語。最後に主人公の入江たか子が将来の希望を語るのが感動的。彼女の泣き笑いのような微妙な表情は絶妙だった。カメラは動かしている。姑役に清川玉枝。
この時代にこの作…