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醜聞(スキャンダル)のNOBUのレビュー・感想・評価

醜聞(スキャンダル)(1950年製作の映画)
4.0
三船敏郎と李香蘭こと山口淑子の貴重な共演作!!
と思いきや、この作品の主人公はもっぱら志村喬演じるダメな弁護士の姿であろう。

ストーリーの入り口は一人の画家と美人声楽家が被害を受ける身勝手な週刊誌によるスキャンダル記事に起因する訳だが、弁護士が訪ねて来た後からこの男のサブストーリーが始まり、そこからもっぱら弱い人間が故の甲藤が始まる。

今まで見てきた志村喬のお芝居の中でも「生きる」と並ぶ快演に思う力作である。

この作品の素晴らしい点は戦後の傷が癒えていない1950年の制作でありながら、週刊誌の報道のあり方と、収賄という今日でも不変的な社会問題をコミカルなまでに抉り出している点である様に思う。

黒澤明の娯楽性も存分に発揮された作品で見ていて面白い!
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