Punisher田中

フロム・ビヨンドのPunisher田中のレビュー・感想・評価

フロム・ビヨンド(1986年製作の映画)
3.9
「遂に開いた!開いたぞ!」
脳を刺激することで第六感を増幅させる実験に没頭する科学者プレトリアス。
しかし後日、研究室にて死体で発見されるのだった...
容疑者候補として挙げられたクロフォードと精神系女医のキャサリンは、現場検証のためにプレトリアスの異様な装置が設置された研究室でプレトリアスの研究を再現しようとするのだったが...?!

最高じゃあないっすか......
かのラヴクラフト原作映像化作品群の1本で「ダゴン」や「ZOMBI 死霊のしたたり」を撮ったスチュアート・ゴードンの作品。
知能指数の高いあらすじからは想像も出来ない暴れっぷりで、後半から終盤にかけてはIQが「ヒャッハァァァァァァァア」と雄叫びを上げてF1に乗り光の彼方に消えていくので最高。
人が徐々にこの世ではない物へ変化していくにつれて状況も悪化し、多彩なモンスター達が出現してくるカオスが堪らなく、なによりこのカオスこそが今作の魅力である。
クソデカワームに人肉大好き蟲の群れ、突如として始まるSMプレイには僕の観たかったカオスがしっかり詰めこまれていたし、あり得ないことばかり起きているのに世界観は現実と地続きな感じはデヴィッド・クローネンバーグを想起せずにはいられない。
ダゴンでも感じだが、緩やかに危機が迫っていたはずなのに実際には死の直前だったみたいな危機感の緩急がちょっとだけラブクラフト味を感じるテンポ感なのも良かった、クトゥルフ作品の名作。