3人の女子高生が短い物語を紡ぎ、それをリレーする遊びを思いつく。
少し寂れた長閑な田舎町で彼女たちの想像の冒険は静かに始まる。
どこからが現実でどこからが幻想なのか?
繋がりのない彼女たちの寓話…
美術館で展示されている作品を観ているような感覚の映画だった。
映像は綺麗だが、物語らしい物語は無い。タルコフスキーっぽい映画…という雰囲気。
小栗康平監督作は、以前『泥の河』で衝撃を受けたのだが、…
『泥の河』『死の棘』の小栗康平作品。一応の主人公である女子生徒3人は一般公募で抜擢された。
筋としてはあってないようなものだけど、ファンタジックで静かな語り口で紡がれるそのテンポが心地よかった。
…
捕らわれたクジラを追いかけていたら、なんだか違う星に辿り着いたみたいだった。夜空に大きすぎる黄色い月が、ぽっかりと浮いていた。その美しいクジラは、どこかへ帰りたがっていた。
この物語は。舞台で観て…
現実の端っこで物語をゆっくり紡いでいく少女。
現実に揺られながらリアルな物語を蓄積していく大人。
村で眠り続けていた巨大な埋没林が発見され、
見上げる少女と大人たちの物語が蝋燭の灯りを移すように静か…
人の住む風景は舞台のようにこしらえ、
引き目のアングルで静的だから、まるで演劇を見ているような気分になる。
それらは間に挟まれる自然の風景の幻想的なのと、なぜかよく馴染む。
それはどちらも作り物感が…