ジャッククイン

ゴジラのジャッククインのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1954年製作の映画)
4.5
 あの過ちを繰り返してはならぬ。

 原爆、そしてこれからも開発されるであろう危険な兵器や技術へ警鐘を鳴らす、日本発の傑作モンスター映画。
 撮影技術や特撮技術は現在よりも大きく劣るが、生々しさと凄絶さ、そして見た者の心よりに残す傷の深さは現在の映画よりも数倍勝る。
 人間側のリアクションもただ悲鳴を上げるだけで無く、静かに絶望して行くためゴジラが……いや、原爆がどれ程恐ろしいのか身に沁みた。
 そしてドラマパートも重い、随所随所で挟まれる原爆批判、そしてそれと同等かそれ以上の危険な技術を生み出してしまった男の苦悩……。
 暗い、重いの二重奏を経て静かなるクライマックスを終えた時、登場人物の一人がある一言を発する。
 この一言は97分間の恐怖の総括、これからの社会への警告としては余りにも素晴らしく、そして心に深く残っていく……。

 ……正直に言えばかったるい部分はあったけども、傑作の部類に入るのも納得ですわ。