沖田遊戯

遊びの時間は終らないの沖田遊戯のレビュー・感想・評価

遊びの時間は終らない(1991年製作の映画)
5.0
全員真顔の茶番劇-

銀行での防犯訓練で強盗役に任命されたお巡りさんが真面目すぎて本気で銀行強盗をやってしまうお話。

設定から面白すぎる。
冒頭、家で明日の防犯訓練のために完璧な強盗計画を練り、鏡の前で銃を構えるもっくんからのタイトルバック。このオープニングから最高。

主人公は職務を全うするべく真面目に強盗を行うが、そこまでやれとは言ってないと振り回される警察組織。次第にマスコミまでもがノッてきて段々と盛り上がっていく壮大な茶番劇が"あの頃の日本"という感じがしてたまらない。

コンプライアンスでテレビがつまらなくなったと囁かれ、"見る"のでは無く"見張る"ような視聴者が増えた昨今。つまらなくなったのは我々の感性なのだと思う。
真面目な顔をしてバカな事をやり、それを嘘だと分かった上で楽しむのがテレビだったはずなのに。
取り返しのつかないほど広がっていく茶番劇に警察は「終われ!」と叫び、国民が「終わるな!」と叫ぶこの映画にバラエティの魂を感じて胸がアツくなった。たとえ時代が変わっても遊びの時間は終わらせない…
沖田遊戯

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