たけちゃん

小早川家の秋のたけちゃんのレビュー・感想・評価

小早川家の秋(1961年製作の映画)
3.9
日本語タイトルだと、秋なんだけど海外向けの英語タイトルはThe End of Summer「夏の終わり」
になります。で、実際、秋らしき場面は出てこないんですね。映画の物語が終わった所くらいから秋で、後は観客がそれぞれの想像を膨らませて下さいとのことかな?と思いました。このあたりの繊細さが日本的なものでしょうか?
鑑賞のきっかけは海外のインスタでこの作品が紹介さていて、非常にきれいな絵的作品だなと思ったことです。実際、鑑賞して思ったのは、本当にきれいな絵的な場面が多く、美術館に絵を観てるような感覚にもなりました。計算された配置や余計なものを排除した美しさがあります。ですが、小津作品の中では、評価が低いらしいのです。ただフランスにおいては高いというのも面白いですね。
物語は伏見の造り酒屋の隠居した老主人・道楽者の小早川万兵衛(中村雁治郎)と彼を取り巻く家族の様子が描かれています。人物を通じ静かに時代が移ろいでいく様子が、素晴らしく思いました。