ダンクシー

過去のない男のダンクシーのレビュー・感想・評価

過去のない男(2002年製作の映画)
3.9
「お互い面倒はよそう。彼は家を探してる」
「なら話は別だ。ここの住民なら逮捕はしない」

襲われて身ぐるみ剥がされて記憶失っての絶望スタートから、人間としての生活を取り戻していくまで。人間の温かさにほのぼのする。全員の距離感がたまらん。一定のラインは超えないけど、それでも全員がお互いを思いやっている。いつまでも後ろを見てはいけない、前を向いて生きようということですね。

記憶をなくした男はヘルシンキに着く。ニーミネンやアンティラと出会い、イルマという女性に惹かれる。新しい人生は温かく彼を包み込み、幸せというのが何かをまじまじと見せつけてきます。

「礼には何を?」
「おれが死んだら情けを」

アキ・カリウスマキのシュールなユーモアも健在。犬の名前がハンニバルとかね。あと終盤の電車内の寿司と日本酒!日本要素が出てきて興奮したけど、日本の曲が渋くてダサいのと、箸を使い方が下手でなんか安心した!あくまでもガワだけの日本描写。あるあるだね。

重要なのは、過去よりも今。主人公のように、たとえ記憶を無くしても振り返ろうとしてはいけない。今を、未来を見て、生きるのが大事なんですね。
やはりシンプル・イズ・ベスト
ダンクシー

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