ある男が失踪し、友人のクルート(ドナルド・サザーランド)は関係のあったコールガール、ブリー(ジェーン・フォンダ)に協力を依頼する。やがてクルートは孤独なブリーに惹かれ始めるが、彼女の知人たちが次々に殺され、ブリーにも危険が迫る。
「パララックス・ビュー」「大統領の陰謀」「推定無罪」のアラン・J・パクラ監督の初期作。
ジャンルは得意のサスペンスなんだけど、事件自体はあまり面白みがなく、実はある娼婦の心の内と変化を描いた人間ドラマだ。
ブリーは男に求められる以外に存在意義を見つけられず、破滅に向かっていくが、クルートによって違う感情が芽生えてくる。
恋することも知らないブリーという女性はかなりインパクトがあって、ある意味、今まででジェーン・フォンダが一番可愛らしく見えた。
恋する前と後で服装が全く違うし、表情も変わってくる。そのあたりの表現力でオスカーを獲ったんだろう。
そう見ると、アラン・J・パクラは本作のジェーン・フォンダ、「ソフィーの選択」のメリル・ストリープ、「推定無罪」のグレタ・スカッキと、裏の顔を見せる女性キャラクターの描き方が上手いのかもしれない。
娼婦やヒモ、ジャンキーたちに溢れるニューヨークが「タクシードライバー」に似てた。