noelle

サッド ヴァケイションのnoelleのレビュー・感想・評価

サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)
4.5
早稲田松竹にてフィルム上映。三宅さんの最近の対談で話題になってて見たいと思っていたところグッドタイミングだった。
しっかりジョニーサンダースが流れ、瞬時にユリイカを思い出すセピアの流し画のオープニングにおおっとなる。流れ者の止まり木のような空間、間宮運輸の雰囲気が絶妙。やはり随所で夜明けのすべてを思い出す。宮崎あおいは今回も1人だけ発光してるのかと錯覚する透明感だった。唐突な相米慎二テンションのラストはとてもよかった。あの撮り方うますぎるシャボン玉ショットも。浅野忠信が高良健吾を殺してしまって車で去る場面、車が海の方に向いたままワンテンポ佇み、この先には行けない、と曲がっていくところはまた自分の妄想で大人は判ってくれないと重なった。アチョンがいなり寿司食べるとこが個人的ベストショット。あの時間の流れかたすごく良かった。アチョンが連れ去られた後の事務所床の赤黒い血、を拭き取るモップが生々しかった。
田村正毅撮影の画と豪華俳優陣見てるのが無条件に楽しく退屈はしなかったけど、所々どうしてもエモが気になってしまう青山真治映画の印象。音楽の感じかな、本数見てないのでなんともだけど。そういえばモンテヘルマン断絶のDVD解説は冒頭が青山さんで、成層圏の映画というジャンルを作ってたこと思い出した。断絶感じました。
noelle

noelle