イチロヲ

ストライク・バックのイチロヲのレビュー・感想・評価

ストライク・バック(2007年製作の映画)
3.5
リゾート地でセーリングに興じている富裕層の夫婦が、湿地帯に佇んでいる農家の小屋に監禁されてしまう。「旅行者がヤバイところに辿り着いてしまう系」を踏襲している、オーストラリア産のバイオレンス・ホラー。

この手の作品では、被害者として若いカップルが起用されることが多いのだが、本作では被害者が中年の夫婦になっている。偶然、奇妙な小屋を発見した夫婦が、父子家庭のサイコパス3人組に襲われてしまい、どうのこうのという流れ。

「人間を人間として扱わない」「会話が成り立たない」といったグロテスク劇が間断なく展開されるため、かつて"不良グループに絡まれたとき"のトラウマが蘇ってくる。富裕層に対する反骨や嫉妬を原動力にしているところも醍醐味となる。

中盤に入ると、負傷した夫の代わりに、下着と靴を奪われた状態の妻が粉骨砕身。大量の釣り針を射出するトラップの登場で、一気にテンションが高まる。リベンジ系の教科書に則しているため、新鮮味がないけれども、それなりのカタルシスを得ることができる。
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