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ザ・バニシング-消失-のTのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1988年という時代だから成立した事件だと思う。今ではあらゆる場所に防犯カメラがあるからすぐに犯人が突き止められそうだが、当時はきっと特別な場所にしか無かったのだろう。
真昼間のマンション駐車場でいい大人の男が相手をボコボコ殴っていたら、近くで遊んでいた小学生らの記憶に残るだろう。
レックスがフランスのテレビで犯人に呼び掛けている映像はオランダに入ってきてなかったかもしれないが、流石に自国民2人(しかも恋人同士)が行方不明になれば、顔写真付きで報道されるだろう。
レックスのマンションに警察が捜査に入っているのを見た小学生らから、
「行方不明になった日に、ニュースに出ていた男の人が駐車場で男の人をボコボコに殴っていた」と目撃証言を得られると思うが・・
時代的に駐車場に防犯カメラはなかったとしても、国境の検問で成人男性二人のドライブは印象に残りそう。2人共外見にそこそこ特徴があるし。
3年経過したとはいえ、サービスエリアのガソリンスタンド店員や責任者、レジの女の子、レイモンにナンパされた女性の証言から割り出された不審な人物の行動範囲から、レイモンの家族は何か感づかないのかな?(間違って知り合いの女性をナンパしたことが家族の耳に入れば、益々知っているサービスエリアで父親とよく似た外見の男が女性をナンパしていた事と結びつけそう)車に乗り込んだ時に落としたジュースのカラカラ音でサービスエリアで遊んでいた人が車の方を振り返っていたらバレそうだし。あとレイモンがサスキアの前に声をかけた女性がまだレイモンが戻ってくるのをどこかで待っていたら・・そう考えるとかなりリスキーな犯罪に思う。この辺をクリアした上での犯行なら流石だが。
結局レイモンの家族も周囲も全く気が付かなかった。日本では宮崎勤のような異常者が明るみになり始めた時代だけど、世界的にはまだ異常者・異常な事件はメジャーではなかったと思う。今でこそ真面目な人・大人しい人が凶悪な事件の犯人であることは珍しくないが、この頃はまだストレートに犯罪を起こす人=不良・暴走族・見た目がヤバイ人という認識だったのだろう。そうなると、レイモンは犯罪からは最も遠く感じる。だからバレなかったのかな?
最後に・・鼻炎からくる気管支炎の症状持ちなので、圧迫感・息苦しさを感じる閉所に閉じ込められるラストは耐えがたい恐怖。あと、レックスの新しい恋人の外見が好みだった。
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