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ハウンターのTのネタバレレビュー・内容・結末

ハウンター(2013年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

話の序盤は家族と暮らさないといけない10代はかったるいなと思った。親から洗濯をやれだ、昼食だ、パンケーキが焼けたから配膳を手伝えだの、アイスクリームだ、夕食だのとやたら呼ばれて、自室でゆっくり出来ない。アメリカ(後でカナダ映画だと分かったが、観ている時はアメリカだと思っていた)の家庭は家父長制が強いのか、外出可否一つをとっても、親(特に父親)の命令は絶対な雰囲気を感じて窮屈に感じた。食後も基本家族みんなで居間で過ごさないといけないみたいだし。
少なくとも主人公が生きていた80年代の家庭にそのような印象を受けた。母親も料理に腕をふるう昔の専業主婦って感じで、かなり古い女性像に感じた。
そして80年代の家は、外が靄がかかっているから家の中が暗いという事実を除いても、主人公の部屋も含めて全体的に何だかきっちゃない。1985年ってこんなもん?
そんな印象もあって、現代を生きているオリビアを見てほっとした。部屋もきれいにリフォームされて、電化製品もファッションもインテリアも我々が見慣れた現代のものだし。何か2010年代、1950年代と、違う時代を生きている(生きた)人と交信できるのって何だか嬉しいし、気味悪い現象が続いている渦中だから余計にホッとする。
色々書いたが、後半は主人公一家の家族愛と、これ以上悲劇が起きないように、現代を生きているオリビア一家を助ける所にホロリ。
現代人が幽霊に助けられる話はこれまで色々作られてきたと思うが、過去に生きていた幽霊が主人公の映画はあまりないと思った。
最後に・・オリビアの父親が、火が付かないライターを車中に放り投げたのは、何となく自分に対して恐ろしいものを感じており、潜在意識の中で家族を守るためにやったのかな。
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