歩葉戸路素

宇宙のデッドラインの歩葉戸路素のネタバレレビュー・内容・結末

宇宙のデッドライン(1960年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

無数に量産された5、60年代のSF映画の中でも一際異色感を放つカルト映画
個人的にかなり傑作だと思う!
逆三角形をモチーフにした未来建物のデザインや反戦反核なテーマ、ラストの衝撃も踏まえて、現代人が見てもインパクトある内容

戦闘機が光速を超えてタイムトラベルしてしまい、遙か未来である2024年(来年じゃねーか)に辿り着く
だがそこは宇宙からの放射能にまみれて人喰いミュータントが大量発生してる終末世界だった…!

ほとんど建物中での会話劇なのに退屈する場面が無く、スピード感あるテンポでラストまで見せてくれる
スターウォーズ、バックトゥザフューチャー、12モンキーズ、猿の惑星…とか
後世のSF映画に大影響を与えたらしい
でも当時あんま評価良くなかったらしく、同時期にウェルズ原作の映画版タイムマシンが上映したせいで興行収入もイマイチだとか
いやいや、原作の巨大蟹くん登場しない映画版タイムマシンより遥かにこっちのが傑作だから!ウェルズ氏が生きてたら絶対こっち絶賛してたと思う
(映画版タイムマシンは力作だけど原作にあった地球終末パートをごっそり削った楽観的改変がされてて個人的マイナス)

この宇宙からのデッドラインはちゃんと絶望感ある近未来が描写できていて凄いし
何より夢も希望も無い衝撃のラストシーンはマジやべぇ!
でも猿の惑星、ソイレントグリーンしかり、これぐらい衝撃度が無いとSFって後世に残らないのかもなぁ…とも思った


考察サイト見たら逆三角形のデザインはドイツ表現主義の影響らしい(カリガリ博士とか)
次のシーン移るときのワイプまで逆三角形なのは吹いた
監督どれだけ逆三角形好きなんだ…笑
歩葉戸路素

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