月うさぎ

モネ・ゲームの月うさぎのネタバレレビュー・内容・結末

モネ・ゲーム(2012年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

最初観た時は、マトモな俳優陣を使いながらよくもこんなB 級映画を作ったもんだと呆れたのに、なんでだろう?気になって再鑑賞。
笑えて楽しめる映画です。そして意外に凝ったシナリオ。うっかりバカにしてみているとヤラレますよ。
そうか!そう来たか!!予想を越えた展開に降参でした。

まず、キャメロン・ディアスがカワイイ!
40女ですし一目見た時にはすっごく老けたな~と驚いたのですが、表情、しぐさ、ちょっとした体のこなし、めちゃくちゃ魅力的です。
人柄がにじみ出てくる感じとでも言いましょうか。彼女のファンが多いのもわかるなあ。

彼女演じるPJというカウガールは、好奇心と利発な活発さと冒険心があって、そして…田舎者まるだしの天然女。
協力者になったのもお金に釣られたからじゃない。
あなたはあなたのままでいいじゃない。なんて、善良な心を持っていて、キャメロンに似合っています。

コリン・ファースの堅物っぽさ、アラン・リックマンの嫌味で大げさな大物ぶりなど、全てが醸し出す個性の相乗効果も大きい。
アランのこの演技無くしてエンディングの爽快感はなかったでしょう。
ん〜、でも全裸にさせるなんて、よく受けたな。

【ストーリー】
美術鑑定士のハリー・ディーンと贋作画家の「少佐」の2人は、ディーンの雇い主シャバンダーをターゲットにモネの名画『積みわら、夏の終わり』を使った詐欺を計画する。
協力者として仲間に引き込んだのはテキサスのカウガール、PJ。
ハリーの妄想チックな計画は悉く「想定外」に進み、どう考えても企画倒れになるとしか思えないのだが…。


計画がマヌケそうに見えるのがフェイクです
そもそもシャバンダーの元で働いたのも、詐欺のターゲットに選んでのことなのでは?
少佐とのコンビ歴が深いのはもちろんのこと、日本人美術コレクターとも長い付き合いがあると思える節もある。
そして、お次はドナルド・トランプあたりを騙そうかと、そんな会話でエンディング。
要するに二人組の『プロの詐欺師』なんですよね。
 
絵の価値をわかっていない「コレクター」に絵を所有させるのは、絵に失礼。ということなのかな。日本人コレクターが品の良い人でよかった。
ハリーが大切にしていたシスレーの小品。彼の審美眼は本物って表現がなぜシスレーなのか…。英国人画家だからかな。
シャバンダーは金持ちの変態男かもしれませんが、絵を投資目的にしている訳ではなく、眺めて喜んでいる。結局は被害者だよな…。
    
など後から色々な感慨が浮かんできます。

【キャスト】
ハリー・ディーン:コリン・ファース イギリスの美術鑑定士
ネルソン少佐: トム・コートネイ 贋作画家
PJ・プズナウスキー:キャメロン・ディアス テキサスの天然カウガール
ライオネル・シャバンダー:アラン・リックマン シャバンダー・グループ代表。美術品コレクター
  ↑
それにしても、この映画の出演者。平均年齢、結構高いんじゃ…。
そう言えば、若者が一人もでなかったような…。


☆モネの名画『積みわら、夏の終わり』について
印象派の画家・モネは積みわらを題材に時刻や季節や角度を変えて30作ほど連作を描いています。温かみのある、日の光の柔らかさにあふれる傑作とされ、睡蓮と並びモネの代表作です。
この映画では『ペアの積みわら』という作品が存在するという設定で、
「朝」を所有しているシャバンダーが「夕」を欲しがっているということに付け込んだ詐欺を企むという設定になっています。


映画の冒頭部には漫画によるタイトルロールが流れますが、
1960年代の古き良き時代のコメディという感じがします。
リメイク作品との事なのでそんな雰囲気を醸しているのかもしれませんね。
観終わってからアニメを観直すと映画の中身がそのまんま全部描かれているんですよ。
ああ、ここはこういうシーンだったのね。と思わずニヤリ( ̄ー ̄) とします。
これは後から観たいな。
月うさぎ

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