アーモンドフィッシュ

海がきこえるのアーモンドフィッシュのレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
4.3
アニメってあんまり見ないんだけど、ジブリ作品は特に苦手。小学生の頃、5つ下の妹を静かにさせるために一日中リビングでジブリが流れてて、自分の見たい番組が見れなかったから「ジブリ=私の自由時間を奪うもの」って感じで嫌いになったんですよね。でも、その妹にも息子ができて、映画好きの伯母としてはジブリを知らないのはダメだなって思って、まずは評判の低い『海がきこえる』から挑戦することにしました。

どうやらアメリカ人が選ぶジブリランキングで最下位らしいけど、元アメリカ人の私の感想は…

すごく良かった!ノスタルジックでエモーショナルな映画が好きだから、この作品もかなり気に入りました。ファンタジックな『魔女の宅急便』や『となりのトトロ』よりも、こういう現実味のある作品の方が私には合ってるみたい。

ちょっと『東京ラブストーリー』っぽい雰囲気もあって、学生版『東京ラブストーリー』って感じですね。舞台は高知だけど、自由奔放な女性に振り回される描写がすごく似てると思いました。私は転校生じゃないけど、小学1年の時に突然現れたアメリカ人として、ある意味里伽子のような存在だったのかも。だから彼女にすごく感情移入できました。

土佐弁もいいですね。包容力があって、時代劇みたいで熱い感じがする。主人公の杜崎くんは嘘を言わない人だなと感じました。東京のホテルで、東京に来てることを両親に隠さず話すし、里伽子が同級生の女子たちから吊し上げにあってるのを隠れて聞いてたこともちゃんと言ったりしてた。一方で、里伽子は嘘が多い印象で、都会と田舎の対比を象徴してるのかなって思いました。

里伽子のビンタシーンはSNSでミームになってて、もうギャグにしか見えなかったです(笑)でも、そのミームを知ってたから「来るぞ…来るぞ…来たー!」って感じで楽しめました。でも2回目のビンタはよく分からなかったな。助けなかったから?その直後の松野くんのパンチも理不尽で、2回も連続で殴られる杜崎くんが可哀想だったよ(笑)

ジブリ作品の評価がちょっと変わったかも。次は何を見ようかな?