Aix

クラッシュのAixのレビュー・感想・評価

クラッシュ(1996年製作の映画)
3.5
カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したデヴィッドクローネンバーグの作品。自動車事故で性的興奮を得る人たちの話。

カンヌで審査員長だったコッポラをブチ切れさせたという前情報の割には、そこまでインパクトのある作品ではありませんでした。確かに今作の題材はセンセーショナルだし、コッポラがキレた理由も分からないことはないです。よりにもよって主人公が映像関係者な上に、ジェームズディーンを始めとするスターたちをネタにしていて、見方次第では不快かもしれません。ただ個人的にはそれ以前に、クオリティそのものがそこまで高くないように感じました。基本的に今作は交通事故で興奮するってこと以上のストーリーがないし、序盤に存在感があったホリーハンターはヴォーンの出現によって傍に追いやられて純粋に勿体無かったです。結局恋愛映画としても今作は物足りなかった気がします。

少数派かもしれませんが、クローネンバーグは今作みたいなゲテモノ作品よりも、イースタンプロミスやヒストリーオブバイオレンスのようなゴリゴリのリアリティ路線の方が好きです。
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