ハガネ

鑑定士と顔のない依頼人のハガネのネタバレレビュー・内容・結末

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 石野卓球氏のツイートで気になったのが切っ掛けで見た。
 事前知識ゼロで「何だこの老人の妄想みてーな恋話で終わりかよ。ふざけんな金と時間返せ」と思い始めたところで終盤の展開を見てたらかなりビックリしたと思うけど。「あなたは騙される!極上のミステリ」みたいな煽りを受けて構えて見たら「いや目的この絵画の部屋でしょ」とバレバレ。人によっては事前知識ゼロでも「愛も贋作か。いや贋作の中にも本物がある」というような(確か)会話ですぐ分かったかも。いや、勘の良い人ならクレアの姿を一目見ようとバージルが隠れていたシーンで気付くかも。すぐクレアが籠もってるはずの部屋から出てくるから。
 個人的にオートマータが出てきた辺りから、「依頼人が誰かについてオートマータに魂が宿るか否かをミスリードしておいて、結果部屋のどっかに潜んでいました」ってオチなのではとか色々とミステリ展開を予想してたんだけど。
 とはいえ、そもそもメインはミステリ的な騙しじゃないと思った。だってまず計画が杜撰過ぎ。人嫌いのバージルがクレアをまず気に入るかどうか分からんし、男前の修理職人?に相談に行くかも分からない。あと秘密の部屋に入れるかどうかも。いやそれよりも査定のオファーそのものすら拒否された可能性だってあるし。
 バージルが人生の終盤で、他人との関わりを拒み続けた過去から復讐される展開は、個人的に色々と他人事じゃないと突き刺さるものがあった。
(2014年1月17日 TOHOシネマズ シャンテ)
ハガネ

ハガネ